
“きもの”
着物は、繊維や模様、配色、
どれを取っても個性的な日本ならではの技の結晶であり衣である。
それぞれに独自の”色”があり、アートのひとつとも言える。
それに、何年もの前の着物だとしても
人々の深いの美意識に訴えるデザイン性は、時代が変われど色褪せることはない。

“必要性を失った着物が行く先”
着物は購入されるだけでなく、家族など親しい関係の中で受け継がれてきた。
そんな、かつて誰かに大切にされ纏われ、受け継がれてきた着物は
役目を終える時期へと差し掛かっている。
思い入れという言葉がある様に、多くの人はモノに自らの時間を移す。
かつて程の必要性は失われつつあるため
そのモノに抱く価値と、他者の評価は違うという悲しい現実がある。
不要になった”大切な着物”を手放すとき、心がざっくりと引き裂かれる様な痛みを感じるだろう。
そして、そんな痛みと共に手放さる着物の数は、ひとつやふたつではない。
大量だ。

誰かに作り出され、大切にされてきたモノが
新たな姿・形で、また誰かに大切にされる循環を創出していくこと
それが、私たちの目指す先である。
その先に向け着物から、
現代の人の感性に響く服を発信・提案・創出していくべく歩みを進めている。

“そして、日常の衣”
服に袖を通すことは、毎日の中の当たり前の活動である。
しかし、着るたびに心を踊る体感が、どれだけあるだろうか。
シンプルに着る喜びを味わう。
私たちはその喜びを”着る人々”に感じてもらいたい。

様々な文化の叡智が交じり合いながら、生まれてきた和。
その中で育まれてきた”着物”が現代のライフスタイルに溶け込むことで、
見るに美しく、着るに心躍る日常の服として、また誰かに大切にされる。
その姿は、美しい循環を物語る。
